ホットラボ実験棟
Hot Laboratory Building

ホットラボ実験棟では、照射済みキャプセルからの放射性試料の取り出しと仕分け、その貯蔵・保管とともに、放射性試料について、表面研磨(湿式・乾式)、微細加工(放電加工、イオンスライス)、真空焼鈍、種々の機械的性質の測定(計装化シャルピー衝撃試験、引張試験、曲げ試験、疲労試験、応力腐食割れ試験、ビッカース微小硬さ試験など)、超伝導特性の評価、走査電子顕微鏡による元素分析や破面観察などを行っています。
原子炉照射試験
国内外の原子炉を用いて中性子照射試験を実施しています。試料は、照射スペースの制約や照射時の温度・中性子束勾配の低減を考慮し、標準サイズより著しく小さい微小試験片が用いられます。 これらの試料は、研究者が求める照射条件(温度・中性子束・中性子量)を満たすように設計された照射用キャプセルに装荷されます。

原子炉照射後の試料について
原子炉で照射された試料は、キャプセルに収められた状態で大型輸送容器(キャスク)に入れられ、専用トラックで大洗センター内のホットラボ実験棟に搬入されます。
大型キャスクはクレーンで吊り上げられ、鉛セル(放射線遮蔽設備)に搬入し、キャプセルは遠隔操作切断で解体され、照射済み試料が注意深く取り出されます。
放射性試料は研究者ごとに分類・保管され、「ホットラボ実験棟内での試験」「研究棟・アクチノイド元素実験棟への移送」に移され、一部は「他大学・他研究機関」へ照射後試験のために供されます。
また、解体作業で発生する放射性廃棄物は、日本原子力研究開発機構 大洗研究所に処理を委託されます。


照射後試料の取り扱い
原子炉で照射された試料およびキャプセルは、強い放射線を発するようになります(放射化)。放射化キャプセルから試料を安全に取り出すため、セルと呼ばれる小部屋(チャンバー)を利用します。
セルは鉛や鉄で覆われており、セル内からの放射線を遮蔽します。窓には特別なガラス(鉛ガラス)が取り付けられ、マニピュレーターと呼ばれる装置を用いて鉛セルの外側から遠隔操作ができます。
鉛セルの内部には切断機や研磨装置等が備えられています。
ホットラボ実験棟装置












- グローブBOX 研磨
- ビッカース微小硬さ試験機
- 走査型電子顕微鏡(W銃)
- 疲労試験機
- 分光光度計